タクラマカン砂漠をゆく(6)

タクラマカン砂漠をゆく(6)

砂漠を2時間ほど走ったところだったでしょうか。トラック同士が正面衝突した事故現場に遭遇。運転手が車体に挟まれて動けず半死状態の模様。

この人は果たして助かるのか?救急車がくるとしても、いったいどのくらいの時間がかかるのか…。この先、我々が事故に遭わない保証は皆無であり、そう考えると背筋が寒くなります。

その後さらに数時間、幸い身の危険を感じるようなことはなく、暑さと揺れにひたすら耐え忍び工場に到着しました。我が身の無事にあらためて感謝。

その後、工場視察や商談などは滞りなく終了しました。今宵は歓迎の夕食会を開いてくれるとのことで、たしかホテル内のレストランだったと思うのですが、工場関係のスタッフやお偉いさん(もしかしたら、地元の名士らしき人もいたかもしれません)など、10名くらいで食卓を囲みました

料理はかなり珍しいものばかり。羊の肉を使ったものが中心でしたが、特に驚いたのが羊の脳みそです。白酒と一緒にずいぶん勧められましたが、さすがに食べられず…。

蔡さんが「工場長は、若い頃、羊を丸ごと全て食べたことがあるそうです」などと、酔っ払った面々の他愛もない会話を一生懸命日本語に通訳してくれました。

そうこうしているうちにK氏と私は白酒で乾杯の繰り返しを半ば強制的にやらされ、いつのまにか泥酔状態。その後のことは全く記憶に残っていません。

翌日、再びハイエースに乗りこみ、来た道を辿ってウルムチに戻りました。昨晩の夕食会のおかげで胃腸の調子は芳しくなく…。途中、何度も車をとめて休憩しました。

ウルムチのホテルに無事戻った私たちは、翌日、蔡さんの案内で町の中心部を見学。屋台で売られているシシカバブがとても美味しかったことを覚えています。

帰りは北京でフリーの時間が(たしか)半日ほどとれるということで、故宮などを見学した後、天津まで足を伸ばし、夕刻の便で中国大陸を後にしました。(明日につづく)