五十にして川柳を詠む(12月)

五十にして川柳を詠む(12月)

先週の「五十にして川柳を詠む(11月)」に続き、今日は同年「12月」の作品を振り返ってみたいと思います。

一日一句を1年間継続という目標達成まで残りひと月。運営していた高齢者向けデイサービス休止という大仕事を前に、私はずいぶん弱気になっていました。<弱音はく我も小さくなりにけり>です。

監督官庁との調整、利用者様の対応、そして何より大変なのがスタッフの解雇。リストラに携わるというのは何度やっても気が重い。まさか転職して一年目でこの仕事が回ってくるとは…。

<初めてか心が助け求めてる>だいぶメンタルがやられてきました。この頃は、なんとも物悲しい呟きばかりで<本当は何がしたいか定まらぬ>とか<やり直しまだできるかなこの歳で>とか。

再び転職の2文字が頭をもたげてきます。<まだ底が見えぬ我が身のキャリアパス> とにかくもうこの場から逃げ出したい心境に追い込まれ、実はこっそり1社だけですが新聞に出ていた求人に応募してみました。

もちろん結果は不採用。転職して間もない人間の応募など、どう考えても通るはずがありません。結局のところ<夢さめて現実背負い歩き出す>のでした。

そうこうしているうちに仕事が次から次へとふってわいて来るので、くよくよ悩んでいる暇さえなくなりました。

<押し寄せる仕事優先順位なく><目の前の仕事だけして日が暮れる><あまりにも年の瀬感のない今年>と大童。そんな毎日を重ね、気がついたらクリスマスも過ぎ…。

<来年は別の生き方できるかな>などと考えつつも<やってみてダメならやめるそれでよし>と、仕事納めの日を迎えるころにはだいぶ気持ちも落ち着いてきました。

そして大晦日、<腹くくり迷い捨て去り旅支度>。目標の1年365句を達成、仕事のほうもなんとか年末ギリギリに目途が立ち、新たな年を迎えることができました。