空港で置き引きに遭う

空港で置き引きに遭う

アムスでスリに遭う」の事件から17年後、今度はドイツで置き引きに遭いました。モスクワからデュッセルドルフの空港に到着したときのことです。

すでに私は海外駐在を終え本帰国していましたのでベースは東京です。この時は、新たにロシア市場も担当することになったということで子会社のあるモスクワに業務出張。帰りにドイツに立ち寄るという行程でした。

初めてのモスクワ訪問を終え、7年半駐在したデュッセルドルフに到着したものですから、緊張が一気に緩んだのは間違いありません。

昼下がりの到着ロビーは人もまばら。私はベンチに腰掛け、大きなスーツケースを開けて、中に入っている手土産を取り出す作業をはじめました。

4人掛けベンチに私ひとり。書類カバンを脇に置き、スーツケースは床に置いて開き、身をかがめて東京から買って来たお菓子などを取り出して、すぐに手渡せるよう紙袋に入れる。

再びスーツケースを閉め、さぁ行こうとすると書類カバンがない。自分の腰のすぐ脇に置いてあったというのに…。人が近づいてきた気配も感じなかった。まるでカバンが「消えた」ように思えました。

中には人事関係の重要書類が入っており、職場の関係者には多大なるご迷惑をお掛けする結果に。幸いパスポートや財布は身に着けていたので被害を免れました。

油断大敵とはこのことです。アムスで教訓を得て、私は二度とこうした盗難の被害者にはなるまいと自分なりにガードを固めてきました。

しかし17年目にしてついに油断が生じてしまったのです。慣れ親しんだ場所だったからこそ気を引き締めなければなりませんでした。