歯科診療も在宅で

歯科診療も在宅で

半年ほど前から両親ともに訪問歯科診療を受けています。

母は歯が丈夫だったのですが、さすがに限界に達したようで、1年ほど前から状態が悪化。近所の歯科で診てもらったのですが、残念ながら対応が難しいと言われ困っていたところ。

そんなある日、父が入れ歯を紛失。どこを探しても見つかりません。

こうなりますと、もはや頼れるのは訪問歯科しかありません。ケアマネージャーさんと相談し、今年の2月から往診に入ってもらう運びに。

その頃の私は、訪問歯科の存在は知っていましたが、予備知識はあまりなく、現場を見たこともありませんでしたので、頭の中に次々と疑問が湧いていました。

そもそも、歯を削るあの機器をどうやって持ち運ぶのか。運べたとして、あのキーンという耳を覆いたくなるような音が家中に鳴り響くことになるのか。

口をゆすいだり、唾液を吸引したり。そもそも、ほどよくリクライニングするイスや口腔内を照らす照明など、ハード面の扱いが相当大変なのではないか…。

初めて実家で診察に立ち会った時に、そうした疑問は全て解消しました。

往診のチームは医師、歯科衛生士、相談員の計3名。時々、助っ人が1名加わり4名の場合もあります。

台車に機材を積んで玄関先まで運び、そこから手際よく部屋の中に持ち込んでセットします。どれも持ち運びできる程度の大きさになっていて、分量にして段ボール箱2つもあれば収まってしまうくらいでしょうか。

あの歯を削る機械もポータブルなものがあるのですね。音も意外と静かで驚きました。口をゆすぐ際は、紙コップと、寝たきりの人の介護などで使う「うがい受け」です。照明は懐中電灯でした。

患者は介護ベッドに横になり枕や座布団で頭を少し高くします。ベッドの高さを一番高いところまで上げ、先生はその脇に立って治療をします。

虫歯治療はもちろん、麻酔も使うし、レントゲンもとれます。父の入れ歯も作り直してくれました。

内科の訪問診療で超音波検査まで出来る時代ですから、歯科診療でさまざまな対応ができるのも当然だとは思いますが、それにしても、技術の進歩には驚かされるばかりです。

さて、母の虫歯治療は今も1週間に1回のペースで続いています。何かと拒否の強い母ですが、なぜかこの歯科チームの皆さんとは波長がうまく合うようで、とても助かっています。

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かくと

かくと

「荻窪ラジオ」の神木各人(かみき かくと)です。私は国内外で33年間のビジネスマンライフを終え、今は荻窪を拠点にフリーランスとして活動中です。「荻窪ラジオ」では、私のこれまでの経験や、日々の暮らしで考えたことなどを「オンエア」。「読む」ラジオとしてお付き合いいただければ幸いです。

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