鬼が笑う

鬼が笑う

「明日の事を言えば鬼が笑う」と言います。年の瀬になると「明日の事」を「来年の事」に言い換えることが多いですね。

私も未曽有のコロナ禍を経験してみて、先のことは誰にもわからないものだとあらためて思います。ああでもない、こうでもないと騒ぐ人間たちを見て、ますます鬼は高笑いといったところでしょうか。

父が倒れて入院したのが4年前の12月19日。あれから介護が本格化し「一寸先は闇」の連続、先が見通せないまま臨機応変に対応する日々が積み重なりました。

おかげさまで母は先週グループホームに、父はリハビリ病院を一旦退院し、引き続き同じ病院に併設されている介護老人保健施設(老健)にそれぞれ入所することができました。

母はこのままゆけばグループホームが終の棲家になるかもしれません。父は今後の回復状況にもよりますが、3か月以内には、自宅に戻り在宅介護に移る予定です。

しかし、この話を聞いたら鬼が笑うこと間違いなし。きっとこの目論見もこれまで同様、想定外の出来事によって修正を迫られることになるでしょう。

ところで、施設入所となりますと、相応の経済的な負担がのしかかってきます。難しいのはあと何年この状態が続くのかということ。いわゆる「長生きリスク」をどう見るかです。

シミュレーションをしてみたところ、もし、この状態が10年続くなら両親は破産ですが、5年程度なら問題なさそうです。そうであれば、このリスクは取らざるを得ません。

つまり、長期スパンで考えても鬼が笑うだけなので、1~2年の短いスパンで最善策と思われる対応を都度こまめに続けるということです。

もし、お金が尽きてしまうことが現実味を帯びてきたならば、その時点で策を講じるより仕方がないと腹をくくるしかありません。

かつて父がよく「お金は墓場まで持ってゆけないよ」と言っていたのを思い出します。

あの頃は、本人が競馬やパチンコに「投資」するための方便だったのかもしれませんけれど、今はこの「長生きリスク」をとるための方便として私が使わせていただきます。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー

かくと

かくと

「荻窪ラジオ」の神木各人(かみき かくと)です。私は国内外で33年間のビジネスマンライフを終え、今は荻窪を拠点にフリーランスとして活動中です。「荻窪ラジオ」では、私のこれまでの経験や、日々の暮らしで考えたことなどを「オンエア」。「読む」ラジオとしてお付き合いいただければ幸いです。

関連記事