トイレまたもや水あふれ

トイレまたもや水あふれ

不穏状態の続く母が再びトイレを詰まらせました。先週土曜日のことです。「トラブルといえばトイレ」でお伝えした事件が起きてからちょうどひと月。

前回は手洗い場の排水口という珍しい場所の詰まりでしたが、今回はよくあるフツウのトイレ詰まり。ただその規模が…隣接する洗面所の床まで水があふれてびしょ濡れです。

この日は午後から入浴デイサービスの予定。私が母の送り出しをするために実家を訪れたところ、あふれた水を拭きとろうとしたのでしょう、シーツや靴下、タオルケットなどが床に散乱。その奥で母が水で満タンになった便器を前にパニック状態です。

私は一瞬あたまが真っ白に。そして間もなく怒りがこみあげてきました。しかし、この感情を母にぶつけても何の解決にもならない。必死に自分にそう言い聞かせつつ、まずは古い新聞紙を床に敷き詰めました。

それから「すっぽん」を使って詰まり解消をトライ、しかしながら上手くゆかず。そこで、すっかり常連になったいつもの業者さんに「またトイレを詰まらせまして…」と連絡。今から3~4時間後に来てくれることに。

その間、私は母をなだめながら、汚水にまみれ、ひたすら黙々と片付け作業を続けます。しばらくすると、便器に溜まっていた水が少し減ってきました。ということは、たぶんトイレットペーパーの大量投棄が原因。きっと時間の経過と共にペーパーが解けて、排水がはじまったのでしょう。希望の光が見えてきました。

その後、何度か「すっぽん」で水を押し引きしていたら、ついに詰まりが解消。吸水した新聞紙や水浸しのタオルなどをゴミ袋にまとめ、ようやく何とかもとの状態になりました。それにしても、水を吸った新聞紙の重いこと。

さて、ひとつ気がかりなのは階下に水が漏れていないかどうかです。今回の事件も一部始終を見ていないので、一体どれだけの水量があふれたのかわかりません。もし、既に大量の水が流れ出していたとしたら…。

さっそく真下のお宅に行き、チャイムを鳴らすも応答なし。部屋の明かりはついているのですが…。実はこのお宅も高齢者の一人暮らしなのです。仕方がないので、何か連絡があったら対応することにして、部屋に戻りました。

17時半過ぎに若い男性の作業員が到着しました。ひと通り点検してもらった結果、予想通り「たぶん、トイレットペーパーが原因でしょう」と。とりあえず一件落着です。

そのころ母はすっかり落ち着きを取り戻していました。作業が終わった彼を送り出す際に、深々とお辞儀をしながら、しっかりした口調で「どうもお世話になりました」と。さっきまでとはまるで別人です。

もちろん母は、彼が何をしにここに来ていたのか、そもそも何が起きたのか、何一つ覚えていませんでした。いつものことなのですけれど…。

よいことも、わるいこともすぐに忘れてしまう。それが認知症です。尚、その日のデイサービスはお休みさせていただきました。