経営方針発表会とトップの器

経営方針発表会とトップの器

どんな会社でも、期首や経営トップが交代した時などに、経営方針発表会を開催すると思います。その目的は社員のベクトル合わせと士気向上です。

経営理念、中期経営ビジョン、次年度戦略など、これから進むべき道筋をトップが示し社員と共有する。

社員は自社の置かれた状況や今後の事業展開、ミッションや指揮命令系統などへの理解を深める。その結果、組織全体が一丸となって目標に進むための準備を整えるわけです。

では、なぜ、わざわざそのようなコミュニケーションの場を設ける必要があるのでしょうか。その理由は、そうしたほうが目標により早く、正確に、かつ効率的に到達する可能性が高まるからです。

では、なぜ可能性が高まるのか。それは、事業の担い手である組織が「人の集まり」だからでしょう。

人は機械と違って、能力や個性にばらつきがあり、感情の起伏も手伝ってパフォーマンスの良否も日々変動します。

そんな複雑系の集団を、最も効率よく動かすには、「集う」「共有する」「共感する」という流れを通じて、集団の「結束力」を生み出したほうが良いからです。

では、なぜその方が良いのか。それは「結束力」が、エネルギーの源泉であるモチベーションを生むからです。

自分は組織の一員であり、居場所があり、役割がある、向かうべき方向も理解し、腹落ちしている、という、いわば「組織への信頼」が「結束力」であり、そうした状況ではより多くの人がモチベーションを高く持ちつづけることが出来、充実感も味わえます。

現場を知らないトップが、きれいごとやお題目を並べているだけの場合もあるでしょう。あるいは、そもそも「つべこべ言わず、黙って自分についてくれば良い」と考えているオレ様社長もいるかもしれません。

そこは、フォロワーである社員が、しっかり見極めたいところです。わからない、腹落ちしない、といったところがあれば理解できるまで質問しましょう。

もっとも、トップからの発信内容があまりに陳腐で、質問のしようもないといったケースもあるでしょう。そこまで酷い場合は、「トップ失格」の烙印を押すより仕方ありません。時期を見計らって、転職しましょう。

経営トップにとって、経営手腕や知識、経験など実務面でのスキルも大切ですが、やはり一番大切なのは「人格と情熱」そして「コミュニケーション能力」ですから。

実務能力は社内外に、いくらでもカバーしてくれる人材がいます。しかし、トップの「人格や情熱」は誰も代わりが務まりません。

しかも、それらを内に秘めているだけでは不十分です。自らの想いを言語化し、社内外に伝えられる「コミュニケーション能力」がなければ、人は心も体も動かさないからです。あなたの会社のトップはいかがでしょうか?