先日ラジオで天気予報を聞いていたら、「こたつ開き」という言葉を耳にしました。
意味はお察しの通り、こたつなど暖房器具を使い始める日。気象予報士の方は当たり前のようにこの言葉を使っていたのですが、私には初耳でした。
「海開き」は知っていましたが「こたつ開き」は知りませんでした。なかなか心地よくて便利な表現ですね。これから使ってみようと思います。
ちなみに、江戸時代から火(暖房)の使い始めは「亥の月(旧暦10月)」の「亥の日(※)」が良いとされ、この日に「こたつ開き」をする習わしがあったそうです。
※月のそれぞれの日にも子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥の十二支が割り振られ12日ごとに一巡
わが家の暖房はもっぱらエアコンで、こたつは使っていませんが、実家の両親はこたつが大好きです。たしかに、あの足元からぬくぬくと温まる感じは、エアコンでは味わえない良さがあります。
それに、家族が小さな台を囲んで座ると、足元だけでなく心も温まるような気がします。こたつとみかん、これは私にとっても冬場の日常の原風景です。
さて、そんなこたつですが、介護する立場からすると残念ながら少々やっかいです。まず、こたつに入ると動かなくなります。健常者でもそうですから、高齢者はなおさらでしょう。
そのうえ、認知症もありますと、それこそ一日中こたつに入りっぱなし。オムツを使っている父の場合は、トイレにも行かなくなる。
更には、ベッドで就寝せず、こたつで寝るようになる。24時間入りびたりになってしまうのです。そうなりますと、衛生上の問題もさることながら、褥瘡ができてしまうのが問題なのです。
ベッドとは違って、しっかりしたマットレスが引かれていないこともあり、すぐに皮膚が赤くなり炎症を起こします。
いよいよ冬の足音が聞こえてきましたので、そろそろ実家の「こたつ開き」をするタイミングなのですが、果たしてどうしたものか。
今年も褥瘡との闘いを覚悟するか?父の入院がおそらく年末まで続くでしょうから、母だけなら思い切って「こたつ開き」をしないのも手か…。
あいにくエアコンの使用は冷暖のみならず、暖房でも拒否反応が強く現実的ではありません。こたつの代わりに電気カーペットを置くなどすればなんとかなるのか…。
介護の冬支度、今年も悩みは尽きません。