「打ち言葉」の未来

「打ち言葉」の未来

お恥ずかしい話ですが「打ち言葉」という語を最近はじめて知りました。文化庁が提言したもので、以下のように説明されています。

携帯メールやSNSなどを用いた私的場面における頻繁で短い言葉のやり取りでは,書き言葉であっても,くだけた話し言葉的文体が用いられます。このような情報機器などへの文字入力による言葉を,この報告では「打ち言葉」と呼んでいます。

「分かり合うための言語コミュニケーション(報告)」平成30年3月2日文化審議会国語分科会より

時代の流れと共に、「話し言葉」「書き言葉」に続く3つ目の分類が必要になったということでしょう。とても良いアイデアだと思います。

「SNSやネットでよく使われる表現」とか「若者が使う省略形」などと長々説明せずとも、ひとこと「打ちことば」で済みますので。

この「打ち言葉」、「了解」の意味で「り」が使われたり、「OK」が「おk」と表現されたり、ついてゆくのもなかなか大変です。

「絵文字」もこの「打ち言葉」に属するのでしょう。ただ、そうなりますと絵文字は言葉なの?と問われそうです。

しかし、よく考えてみれば漢字、特に人、山、月など象形文字は究極の絵文字と言えますので、絵文字を「ことば」と見なすことに違和感はありません。

漢字のおかげで複雑なことをシンプルに表記できますが、絵文字はそれを更に簡素化してくれます。殊に感情表現には本当に便利です。

このまま行くと遠い将来には「書きことば」が「打ちことば」に駆逐され、文章は全て絵文字だけになるのかも。ヒエログリフ、つまり神殿や墓に刻まれた古代エジプトの象形文字みたいなものになる。

ということは、ある意味古代エジプト文明は既に現代文明の先を行っていた!?

そうだとすれば、あの驚異的な建造物であるピラミッドが当時の人々の技術によって作られ、今日までその姿をとどめていることにも説明がつきそうです。