ロスバノス(Los Banos)にて(2)

ロスバノス(Los Banos)にて(2)

なんとか「アミノ態窒素」の測定テクニックをAさんから授かった私は3月初旬、製造関係の指導を担当する本社の先輩スタッフと共に日本を出発しました。

サンフランシスコに降り立ち、そこからロスバノスまで車に乗ること約2時間。私は生まれて初めてアメリカ大陸を行く自分に心踊らせていました。代わり映えのしない車窓の風景、ときに長い直線では道が地平線の果てまで続いています。

これから約2か月間滞在することになるロードサイドのモーテルに到着。既に先発隊で日本の工場から派遣されていたベテランスタッフ2名が出迎えてくれました。

翌日から始まった現場での仕事は何もかもが新鮮。英語で意思疎通ができただけで舞い上がっていました。みんな陽気で気さくな人たちばかり、一緒に働くのがとても楽しかった。

私はJASの分析に関わるマニュアルを英文で作成したり、実際に自分で測定して見せてコツを伝授したりと、とても充実した毎日でした。

ただし、「アミノ態窒素」にはやっぱり手をやきました。現地スタッフにとっても難しく、何度やっても上手くゆきません。でも、みな「なんとかなるよ」と底抜けに明るい。

これで本当に大丈夫かなぁと思う反面、この窒素の値にばらつきがあっても味や安全性には全く影響はないので、私も「まぁイイか」という感じ。ちなみに、現在はアミノ態窒素の規格は撤廃されているようです。

ところで、滞在中一度だけ、どうしても栃木の研究所に問い合わせないとわからないことが生じ、国際電話を掛けたことがありました。

電話を受けた同僚は「生まれて初めて国際電話というもので話した!」と大興奮。当時は国際電話料金がべらぼうに高く、通話経験のある人などほとんどいない時代。

隔世の感がありますね。古き良き時代です。(明日につづく)