ラーゲリより愛を込めて(1)

ラーゲリより愛を込めて(1)

映画「ラーゲリより愛を込めて」(監督:瀬々敬久)を観てきました。先週末の3連休初日、主演が二宮和也ということもあってか、館内には幅広い年齢層の観客。

一昨年の末に、私は小欄でこの映画の原作となった「収容所から来た遺書(辺見じゅん著)」(2021-12-23)を紹介させていただきましたが、私が感銘をうけた同著が映画化されると聞き、ずっと楽しみにしていました。

実は上映が始まり、早々にトラブルが発生(詳細は明日)。そのため最初の30分は作品に入り込めず…。それに、原作との差異が気になったりもして、ますます溶け込めない。

それでも、やはり映像の力は凄いもので、時間の経過とともに徐々にスクリーンの向こう側に引き込まれてゆきました。

敗戦から12年目に遺族が手にした6通の遺書。ソ連軍に捕われ、極寒と飢餓と重労働のシベリア抑留中に死んだ男のその遺書は、彼を欽慕する仲間達の驚くべき方法により厳しいソ連監視網をかい潜ったものだった(文春文庫)

その「驚くべき方法」で遺族に遺書が渡される最終章のシーンでは涙が止まりませんでした。

少し大げさですけれど、混迷の今を生きる私たちに小さな希望の火を灯してくれたような気がします。(明日につづく)