音訳のおわりに

音訳のおわりに

最後の音訳を終えて校正担当者に提出した。あとは指摘される箇所の修正録音を経て、月末には校了する予定。(参照:「辞める決断」

これで一旦音訳活動に幕を下ろすわけだが、今回は、これまで一度も当たらずにきた「誤植」に当たってしまった。

「誤植」は厄介である。まず、どう読むのか?私の所属する会では基本的に「誤りのまま読む」のがルール。ただし、それも程度問題でケースバイケース。不自然な発音になるくらいならまだしも、場合によっては意味のわからない文になってしまう。

さて、私が今回遭遇したのは「魅了する」となるべきところが「魅力する」になっているという「軽傷」だった。そのまま「ミリョクスル」と読んでも、不自然だが誤解はされまい。

ところで、もしこれが「魅子する」という誤植だったらどう読むのだろう?あるいは、「未了する」という誤植だったら?

音訳する限りにおいて、後者の誤植なら表沙汰にならない。視覚の世界と聴覚の世界は似て非なるもの。音訳を通じて学んだことの一つだ。