シ・ツ・ソ・ン

シ・ツ・ソ・ン

「子ども日本語学習支援ボランティア養成講座」では、実際に「子ども日本語教室」の現場を見学する機会も。

受講者が数人のグループに分かれ、日本語教師と支援ボランティアの活動現場を間近で見る。私は中学生向け教室の授業を傍聴した。

その日、中国人の女子が、日本語ができる叔母に付き添われてトライアルに来ていた。先生によるレベルチェックが終わる。どうやら彼女は全く日本語が出来ないようだ。

となると、いったい何から教えるのか?私は興味が湧き、彼女の席の近くへ。ちなみに授業は個別方式で、生徒1名に対してボランティア1~2名がつく。

先生とボランティアが相談しながら、机の上に広げたのはカタカナの50音表だった。なるほど、カタカナから入るのか。

確かにひらがなより容易だ…などと思いながら見ていたら、さっそく彼女から質問が。「シ」「ツ」「ソ」「ン」の区別がつかないと。

どう答えるのだろう?思わず身を乗り出した。

すると、先生は「ツ」と「ソ」は上がヨコ一直線、「シ」と「ン」は左がタテ一直線に揃っているとホワイトボードに書いている。

なるほど!私は思わず彼女と一緒に深くうなずいた。