経営コンサルタントの極意(1)

経営コンサルタントの極意(1)

「経営コンサルタント」と聞くと、なんとなく怪しい、専門用語を連発して煙に巻く、コストが高い等々、あまり良いイメージを持たない人が多いでしょう。

かつての私もそうでした。メーカーに勤めている時は、名だたるコンサルティングファームの方々とプロジェクトを組むことがありましたが、あまり良い印象はなかった。

いろいろとご指導、ご助言いただく立場ですから、どこか見下されているような感じは否めない。それに、まずコンサルに現状をインプットするわけですが、その労力は相当な負荷です。

そのため、「なぜ、こちらがお金を払って教えてあげなければならないのか?」という思いがふつふつと湧いてくる。

現状をインプットされたコンサルは、それを分析、課題を抽出し、解決策を起案するというわけですが、起死回生の策など出てくるはずもない。パワーポイントのスライドは確かに美しいけれど…。

私はメーカーを早期退職し、福祉事業の世界に身を転じたのですが、同時に経営コンサルタント業も始めました。

その際に心掛けたのは「伴走する」こと。座して「口だけ」で理屈を並べるのではなく、共に手足を動かす。つまり、かつて自分がクライアントの立場でこうあってほしいと思い描いたコンサルを目指したというわけです。

その甲斐あってか、クライアントに喜んでいただけることも多かったのですが、すると今度はこちらの負荷が大きくなって、採算を合わせるのが難しくなってしまいました。

主たる顧客は中小企業だったので、出してもらえるコンサルフィーにも自ずと限界があります。稀に一部上場の大企業からの仕事もありましたが、その場合は先方の予算も人材も潤沢ですから問題ない。

しかし、中小ではプロジェクトを推進するために割けるマンパワーもないし、お金もない…。そんな悩みを抱えていた折り、ある先輩コンサルタントから貴重なアドバイスを得ることに。(明日につづく)