青二才のキャリアプラン

青二才のキャリアプラン

大学4年生の時に生まれて初めて海外旅行に行きました。同じ研究室にタイからの留学生がいて、彼の里帰りに同行させてもらったのです。

もうすぐ卒業、就職先も決まり、最後の夏休みを満喫しようというわけです。一方で、いよいよ社会人になるという身の引き締まる思い、同時に膨らむ夢や希望…。

そのころ、青二才の私が漠然と描いていたキャリアプランがあります。それは、ちょうど海外旅行で目的地に行くようなイメージでした。

荷物も多いですから「タクシー」で最寄り駅まで行きます。そこで「電車」に乗って空港まで。空港からは「飛行機」に乗ります。長時間のフライトを経て現地の空港に着いたら、再び「タクシー」に乗って目的地周辺へ。最後は「徒歩」でゴールに向かいます。

「タクシー」は最初に就職する会社、「電車」が転職先、つまり2つめの職場です。「飛行機」は3つめの就業先ですが、ここでは腰を据えて頑張らなければなりません。なぜなら一旦「飛行機」に乗ってしまったら、余程の事情が無いかぎり途中で降りることができないからです。

こんな風に、段階的により大きな組織で、より長くキャリア形成をする。そして、最後は、つまり「飛行機」を降りた後は、出発時と逆の順序でキャリアダウンをしてゆくというわけです。

いつまでも「飛行機」に乗っていては、最終目的地に着くことが不可能なように、キャリアとか仕事という観点でも、いつまでも大きな組織に属していては、真の目的地(=本当に自分がやりたいこと)には行き着かないですから。

また、タイムスケジュールとしては「3年・10年・20年計画」と題する構想を抱いていました。1つ目の会社に勤める3年の間に方向性を定めて転職、次の会社で10年頑張って実力をつけ、残る20年は腰を据えてじっくり…。

さて、いま振り返ってみますと、「タクシー」「電車」「飛行機」というキャリアアップはおおむね目論見どおり来たように思います。

一方で、タイムスケジュールはかなり狂いました。大まかに言えば「3年・25年・5年」という感じです。幸い腰を据えて取り組める仕事に早く巡り合えました。

そして今、真の目的地に「徒歩」で向かっているところ。スピードは遅くとも、無理をせず一歩一歩着実に進んでゆきたいと思います。