泣きながら塾に行く

泣きながら塾に行く

先日たまたま荻窪駅の近くで、泣きながら塾に向かう小学生の女の子とすれ違いました。

夕方5時少し前のこと。私は荻窪駅西口を出て南側の階段を降り、ローソンの脇を抜けて裏通りに出かかったところでした。

ちょうどお母さんに送ってきてもらい、そこで別れた小学5年生くらいの女の子が、こちらに向かって歩いてきます。

「いまの、小学生は大変だなぁ」と同情しつつ、その子の顔をふと見ると、なんと涙を流しています。塾のエンブレムがついたリュックを背負って、しくしくと泣きながら、もちろん私の姿には目もくれずに。

お母さんは、泣きながら歩くその子の後ろ姿を見送ることもなく、ひょいと自転車にまたがり、その場から走り去ってゆきました。

泣きながら塾に行く子を初めて見た私は、さっそく妻と娘にその話をしたところ「そういう子供はいくらでもいるよ!知らなかったの?」と逆に驚かれてしまいました。「泣かないまでも、大半の子供は親に言われていやいや塾に通っているよ」と。

荻窪駅周辺には小学生向けの塾がたくさんあります。私も帰宅が夜遅くなった時などに、子供を迎えに来る保護者の車が、線路沿いのバス通りに並んでいる光景をよく見かけました。今の小学生は社会人よりも忙しいのだなぁと寂しい気持ちになります。

子供の要素を使い切る」でも書きましたが、子供の時には子供の要素を使い切らないと後が大変だと思います。小学生は間違いなく子供であり、まさにその要素を使い切るべきステージにあります。

わが家の子供たちには「小学生は遊ぶのが仕事だ」と言って、塾には通わせませんでした。学校の勉強はしっかりやったら、あとは遊べと。もちろん、中学受験もしていません。

但し、中学校に行ったら勉強しなさいと言っています。大人になったら遊べるから今のうちに勉強しておけと。これ、実は私が中学三年生のときの担任の先生の教えなのです。

中学生になれば本人にも意志や判断力が芽生えてきます。小学生とは違います。勉強しろとは言っても塾に行けとは言いません。もし、本人が行きたいというなら行けばよい。

でも小学生の場合は親がもう少しよく考えたほうが良い。本人が勉強好きで塾が楽しいというのなら別ですが、たぶん大半の子供たちはそうではなさそうですから。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー

かくと

かくと

「荻窪ラジオ」の神木各人(かみき かくと)です。私は国内外で33年間のビジネスマンライフを終え、今は荻窪を拠点にフリーランスとして活動中です。「荻窪ラジオ」では、私のこれまでの経験や、日々の暮らしで考えたことなどを「オンエア」。「読む」ラジオとしてお付き合いいただければ幸いです。

関連記事