嘘をついてはいけない相手

嘘をついてはいけない相手

ロンドン駐在時代に、人事マネジャーから「目標設定の考え方」を教えてもらったことを昨年8月の記事で書きました。(目標設定は”SMART”に 参照)

今日は、彼女の上司だった管理部長に教えてもらったことについて書きたいと思います。

彼はケニア出身のインド人。恰幅のよい男性で私より確か2つ年上だったと思います。会計士の資格を持ち、ITにめっぽう強く人柄も素晴らしい。総務、人事、法務、経理、財務、情シスなどバックオフィスを統括する頼もしい「右腕」です。

そんな彼とは毎日密にコミュニケーションをとり、たとえ本社が「現地スタッフとは共有するな」と言われた情報でも全て包み隠さず開示、共有していました。

なぜなら、当時のミッションとして現地組織の大リストラが課せられており、私はそれを彼と二人でやり遂げなければならなかったからです。

そのために、まずはお互いの強固な信頼関係を構築しなければなりません。それで、「業務上はお互いに隠し事なし」というスタンスを貫きました。

その甲斐もあってか、ミッションはクリア。解雇したスタッフからは相当な恨みをかうことにはなりましたが、そんな修羅場を共に乗り越えた彼とは、今でも「戦友」として連絡を取り合う仲に。

その彼がよく「医者と弁護士、それと会計士には嘘を言わないほうが身のためだよ」と言っていました。なるほど、ごもっともです。

当然ながら、嘘はつくべきではありません。それでも長い人生、そうもゆかないときだってあります。場合によっては「良い嘘」だってあるでしょう。

しかし、時と場合を問わず、絶対に嘘をつかないほうが良いのが医者、弁護士、そして会計士というわけです。

より正確に言えば「嘘をつかないほうが良い」ではなく、そもそも「嘘をつかなければならないようなことはしないほうが良い」ということですね。