五十にして川柳を詠む(2月)

五十にして川柳を詠む(2月)

今日は先週の「五十にして川柳を詠む(1月)」に続いて同年「2月」の作品を振り返ってみたいと思います。

一日一句をはじめて2か月目に突入。だいぶ慣れてきまして、一日に二句という日もちらほら。

<携帯は息子スマホで俺カイロ> 寒くてカイロが手放せなかった私とは対照的に、息子はスマホが(こちらは季節を問わず)手放せない。

実はこの時すでに3月末での転職が決まっていたこともあってか、私は精神的にあまり落ち着かない毎日を送っていました。<退職をひかえた気持ち空回り>。

一方で、どこか吹っ切れたような心境になることも度々で、<この会社磨かれるのは保身術>、<また会議役職九人ヒラ二人>等々、これまでにため込んでいた不満をずいぶん吐き出していました。

<報いたい部下の努力と忍耐と>、<夜更けてようやく部下と立ち話>、次から次へと上から降ってくるミッションを部下に振り分ける中間管理職の悲哀を表現したかったけれどいまひとつ。

そんな折に出合った次の2つの句。稚拙な私の句と比べるのも申し訳ないのですが、

<札束のために猫背になり急ぎ>(佐藤隆貴)

<どちらかへつかねばならぬ手をあげる>(徳田佳周)

職場で誰もが抱いくこうした思いを、どうすればこの作者のように上手く表現できるようになるのでしょうか。何度読み返しても素晴らしいなぁと思います。

さて、年度末の3~4月は人事異動や入退社の季節。関連情報が社内を飛び交うのは2月です。<また一人退職同期はもと上司>で驚いたり、部下から退職意向を告げられて思わず<辞めますと言われた僕も辞めるのよ>とつぶやいたり。

こうして2月も無事一日一句の目標はクリアしました。