最後は暴力

最後は暴力

ロシアのウクライナ侵攻で戦争がはじまって1年10カ月が過ぎた。戦況は膠着、停戦の兆しはなく、欧米各国の「支援疲れ」も見え隠れする。

そんなさなかに今度はイスラエルとハマスの戦闘が勃発。こちらも人道上の短期休戦はあったものの終わりの見えない泥沼の戦いといった様相だ。

世界中を震撼させたコロナ禍の3年がようやく終わったところから、立て続けに2つもの戦争がはじまるとは…。

人類がこれまでの経験や探求を通じて積み上げてきた膨大な叡智も、争いごとの解決には役に立たない。

人工知能(AI)は人類を越えるか?といった議論がされるほど科学技術も進歩・発展させてきたというのに。それは人の殺傷には使われても、戦争の終結には貢献できない。

人類は「外交」、換言すれば「話し合い」、つまり「言葉」という「叡智の結晶」ともいうべき素晴らしいツールを持っている。

悲しいかな、そのツールは戦争に対してあまりに無力だ。どんなに人類が進化したと言っても、最終的には暴力以外に解決の術がないのだから。