韓国の梨泰院（イテウォン）で痛ましい事故が起きました。貴い若者の命が多数奪われ心が痛みます。お亡くなりになった方のご冥福をお祈り申し上げます。
ソウルに駐在中していた２年間に私も何度か梨泰院に足を運んだことがあります。米軍の施設が近くにあり外国人も多く、ソウルの六本木とでも申しましょうか。
もう２０年近く前の当時でもずいぶん活気がありましたから、今では更にパワーアップして、様々な文化が行き交う、若者のエネルギーに溢れる街になっていたということでしょう。
さて、今回の群衆事故。人が密集することの恐ろしさが浮き彫りになりましたが、私も一度だけ、その恐ろしさを経験したことがあります。
ロンドン駐在時代、街の中心に出かけた時のこと。乳飲み子をバギーに乗せ妻と3人。かなり大規模なデモに遭遇してしまい、その人流に飲み込まれました。歩道も車道も人、人、人。
やむを得ず流れにのってしばらく進んだのですが、そのうち息が苦しくなってきました。まさに人の波に「溺れそう」な恐怖感…。
幸いすぐに脇の路地へ逃れることができましたが、梨泰院のように狭い路地で、逃げ場がなければ、あっという間に渦に巻き込まれてしまうでしょう。
君子危うきに近寄らず。あの時以来、私は「群衆」を、「危うき」リストに追加しました。