平穏な時間という遺産

平穏な時間という遺産

父が他界して4か月が経ちました。おかげさまで、諸々の手続き等もようやく落ち着き、平穏な毎日が戻りつつあります。

さて、親が亡くなると問題になるのが遺産相続。金融資産や不動産がたっぷりあると、その手続きはもちろん、具体的にどう分配するのかなど煩雑極まる対応が必要になります。

相続税も大変です。現在の法律では基礎控除は「3,000万円+600万円x法定相続人の数」ですから、例えば故人の配偶者と子供2人が法定相続人の場合、3,000+600×3=4,800万円を超えた分には課税されます。

特に土地などの不動産を相続する場合、税金を支払うために現金を用意しなければなりませんから、場合によってはその土地を売却しなければならないとか、「延納」と言って税金を分割払いして払うといった事態になることも。

その点、遺産が少ないというのは相続人にとって実はとてもありがたい。巷でよく言われる、「相続が“争”続になる」ことを回避できる可能性が高まりますし、基礎控除以下なら税金も払わないですむ。

ちなみに、「りそなグループ」のホームページに「相続税のかかる人は2015年から8%前後に倍増、東京の場合はおよそ6人に1人」と書かれていました。ということは、たぶん大多数の人々は「争続」を回避できているのでしょう。少し安心しました。

それでもやっぱり「お金」をもらえたほうがよいという考え方もあるでしょう。面倒な手続きや多少の諍いがあったとしても、それは仕方ないと。

しかし、私は今回の相続を経て、大きな財産を遺さなかった(あるいはそうしたくても出来なかった?)父には心から感謝しています。

もし仮に億単位の財産が遺されていたら、私自身も含む法定相続人どうしの話し合いは簡単には行かなかったはず。

つまり、「金銭的な」財産を遺さないということは、相続絡みの諸事に悩まされることのない「平穏な時間」という財産を遺すことになると言ってよいと思います。