子供の頃は年賀状を書くことが年末の一大イベント。家族みんなでコタツにはがきを積み上げて、去年いただいた賀状を確認しながら宛名書きをしていました。
「プリントゴッコ」という当時としては最先端の家庭用年賀状印刷器を使う人も多かったのですが、我が家に導入されたのは発売されてからずいぶんだってからだったと思います。
その後あっという間にパソコンが主役になり、やがてメールやSNSの普及で年賀状そのものを送る習慣が廃れてきました。
かつて勤めていた職場でも、経営陣から「虚礼は廃止しましょう」という呼びかけがあり、「義理」の年賀状は誰も出さないようになってゆきました。
私も今ではせいぜい10枚程度出すのみ。あとは必要に応じてデジタル対応です。少し味気ないことは否めないのですが、宛名書きや裏に書き添える一言を考えるのがつい億劫になってしまいまして…。
さて、その10枚の中に中学校3年生の時の担任のA先生がいます。もう、かなりのご高齢なのですが毎年ご自身が作った詩を書いて送って下さいます。
A先生には随分お世話になりました。「泣きながら塾に行く」で書きましたが「大人になったら遊べるから今のうちに勉強しておけ」と教えて下さった方です。
私はちょうど「3年B組 金八先生」という中学校を舞台にしたテレビドラマが人気を博していたときに、同じく中学3年生しかもB組。
「3年B組 A先生」だったわけです。さすがにドラマのようなわけにはゆきませんが、先生のおかげでとても楽しい中学生活最後の1年を送ることができました。
その後しばらくしてA先生は別の学校に転勤。まもなく担任のクラスの生徒がいじめを苦に自殺。学校側の不適切な対応がマスコミに叩かれ、先生は退職を余儀なくされたようです。
年賀状をいただく度に、楽しかった日々とあの痛ましい事件が思い起こされ、悲喜こもごもです。