荻窪の荻

荻窪の荻

図書館に本を返しに行った帰り、隣接する「読書の森公園」の中を歩いていたら「荻(オギ)を植えました」という看板が目にとまりました。「荻は荻窪の地名の由来と言われる植物です」との説明も。

よく似た字を書く「萩(ハギ)」なら「秋の七草」のひとつということくらいは知っていましたが、「荻(オギ)」についてはたぶん草の名前だろう程度の認識しかありません。ちょっと調べてみますと…

荻とはイネ科ススキ属の植物の一種である。草丈は1~2.5m程で、河川敷などの湿地に群落を作る身近な多年草である。日本全国や朝鮮半島、中国大陸に分布している。ススキに良く似ているが、オギは地下茎で広がるために株立ちにならない(ススキは束状に生えて株立ちになる)。ススキと違い、オギには芒がない。また、ススキが生えることのできる乾燥した場所には生育しないが、ヨシよりは乾燥した場所を好む。穂はススキよりも柔らかい。かつては茅葺の屋根の材料として広く用いられていた。

出典:ウィキペディア

なるほど、荻窪に住んでいるならきっと目にしているはずですが、ススキだと思って見ていたに違いありません。これからは、もう少し注意して観察してみます。

さて、植物の「荻(オギ)」はススキにそっくりということですが、漢字の「荻(オギ)」は先ほどの「萩(ハギ)」にそっくり。なんともややこしい話です。

「萩(ハギ)」という字は、あの有名なお菓子「萩の月」、水泳の「萩野公介」、私の世代にとっては著名の「萩本欽一(コント55号)」…わりと馴染みのある漢字です。

一方で「荻(オギ)」といえば上荻、西荻窪、南荻窪、要するに「荻窪」とその周辺の地名くらいしか…。

「荻(オギ)」を漢和辞典で調べてみたところ「音読み:テキ 訓読み:オギ」と。そういえば荻窪には「荻外荘(近衞文麿旧宅)」がありますが「テキガイソウ」と読みます。

ちなみに「荻(オギ)」は漢字検定水準で申しますと準1級レベルとのこと。とても難易度の高い漢字に位置づけられていることを初めて知りました。