仕事を通じて多くの人々との出会いがあります。中でも同僚や、上司、部下といった自分をとりまく職場の人たちは、場合によっては家族よりも多くの時間を共にするでしょう。
そんな彼ら彼女らをいろいろな切り口で分類してみるのは結構面白いものです。簡単なところではジェンダー。昔は2つでしたが、今はもう少し多い。
出身地で東と西にわけてみると何らかの特徴が見えそう。管理職と非管理職、理論派と情緒派。社長派と副社長派なんていうのもありそうですね。
総論派と各論派というのはどうでしょう。この場合、大多数は「両極の間で適度なバランスを保っているひと」なのだと思います。
しかし、両極に相当するひとも少なからずいます。「総論に終始するひと」と「各論ばかりのべる人」です。
私の職場にも両極がいました。磁石に見立ててそれぞれNさんSさんとよぶことにしましょう。
Nさんは総論しか語らない。いつも全体最適を考えて大局的に判断する必要があると説く。
日々のルーチン業務に関するような話でも、何か難しいワードで話が抽象化されてゆく。
そこで、もう一歩踏み込んで具体的な議論をしましょうとなると、Nさんの口からは何も出てこない。黙秘権の行使です。
Sさんは逆に各論ばかり。人事制度の改訂といったテーマに対して一足飛びに「テレワークを推進するべきだ!」と叫び出します。
でも、テレワークの成果を評価するのが難しい。従業員がPCに向かっているかどうか監視できるアプリがあるが…といった具合で、細かい話に猛進してゆきます。「木」の話ばかりで「森」を見る視点はありません。
「木を見て森をみない人」と「森を見て木を見ない人」という両極端なお二人。もう少しバランス感覚があればなぁと思いますが、既に五十路を過ぎた彼らのOSを変えるのは無理でしょう。
このお二人、もし「部下」としてもてば、上手く組み合わせてチーム全体としてのパフォーマンスを上げてくれる可能性はあるかもしれません。
では、「上司」として戴いてしまったらどうでしょうか。Nさんなら何とかフォローできるかもしれませんが、Sさんについては手立てがありませんね。