臥薪嘗胆

臥薪嘗胆

今日9月9日は特別な日。この日をもって、当時19歳になったばかりの私は防衛大学校を退校したのです。(「防衛大学校(1)~(13)」を参照)

約半年間の大学生活に区切りをつけたこの日、まず訓練部長から辞令が手渡されました。そこには「退校を命ずる」と書かれています。

その後、学校長、学生課長、大・中・小隊指導官など順番に面談と挨拶を終えると、僅かな私物をまとめた荷物を片手に、学生舎裏で同期の仲間たちに別れを告げました。どしゃ降りの金曜日午後5時。

そして週明け早々に、母校(高校)の担任の先生とお会いし、今後の進路について相談に乗っていただきました。

先生からのメッセージは「早く社会に出て欲しい」ということ。「大学ではそれほど深い勉強はしません。大学を出てからが本当の勉強。だから、浪人は避け、ランクを下げてでも半年後の来春に進学せよ」と。

私は防大在学中、手帳に毎日簡単な日記をつけていましたが、それを全て大学ノートに転記し、それに続けるかたちで9月10日以降も日々の記録をつけました。

その大学ノート、表紙のタイトルには油性のペンで大きく「臥薪嘗胆」と書いてあります。このノートを心の支えにしつつ半年間の受験勉強がはじまりました。