怒りのコントロール

怒りのコントロール

自分の感情をコントロールするのはとても難しい。なかでも大変なのが「怒」です。私もこれには昔から手を焼いてきました。

それでも、他者に比べて自分は感情が表に出ないタイプの人間らしい。会社の同僚や仲間たちから「どうすれば、そんなに冷静でいられるのだ?」とか「喜んでいるのか、悲しんでいるのか よくわからない」などと言われたものです。

もちろん私にもフツウに感情はありますし、実は内心よく怒っています。でも、それを表情には出来るだけ出さないようにしているのは確かです。

あるとき「どうやっているのですか?その方法を教えて下さい。」と職場の後輩に聞かれたことがあり、こんなふうに答えました。

いつも、もう一人の自分に、上から私を監視させている。怒りの感情が沸き上がったときは、すみやかにもう一人の自分に視点をスイッチ。怒っている自分の姿を天井から見たイメージを頭に描くと心が落ち着く。

それでも怒りが収まらない場合は、自分の頭の上を雲が次々と流れる情景を想像し、怒りをその雲に載せて流す姿をイメージする。

ここまですると9割がた収まりますが、ダメな場合は深呼吸したり、とりあえず席を外してみたりと、何らかの行動に出ます。

もちろん、それでも収まらない場合だってありますが、それはもう仕方のないこと。そこで暴言を吐いたり、机をたたいたり…。残念ながら、ここまですると9割がた後悔します。

長谷川櫂さんが読売新聞の「四季」で先月、次のような和歌を紹介していました。

このたびの怒りは冷凍しておいてあつけらかんのわたしでゐたい(三宅隆子)

「雲に載せて流す」もよし、「冷凍」するもよし。でも、「冷凍」の場合は誤って「解凍」しないように気を付けなければなりませんね。