会社を辞めたくなったら

会社を辞めたくなったら

誰しも会社を辞めたくなることは一度や二度ではないでしょう。そのきっかけは人それぞれ。人間関係だったり、待遇だったり、家庭の事情だったり。

キャリアを積めば積んだで、業務の進め方が腑に落ちない、経営方針や意思決定の内容に賛同できない、といったことが原因になることも。

“社内政治家”や“評論家”がああでもないこうでもないと騒ぐ。「好き嫌い」「忖度」「空気」といった得体の知れないものによって意思決定が行われ物事が進んでゆく。会社とはまるで「鳥獣戯画」だとかつての上司が嘆いていたのを思い出します。

果たしてこんなことを続けていて良いのか?会社や社会にとって真に貢献できているのか甚だ疑わしい。

ドラマや小説の世界では勧善懲悪の痛快劇もあるが、リアルな世界で「そうは問屋が卸さない」。

周囲を見渡せば「弱気を挫き 強気を助ける」輩が多く、その逆はそうそう見当たらない。組織で生き残るためには「清濁併せ呑む」ことも必要だと諭してくる者までいる。

ここで正論を振りかざしてみたところで「書生論」だと一笑に付されておしまいだ。こんなところに居ても仕方ない。

では、どうすればよいのか。これはもう、当たり前の話なのですが自分で折り合いをつけないと前に進むことができません。

かつて世間一般の「空気」として「有給休暇がとりにくい時代」がありました。私が新入社員だった頃もそうです。ただ、当時私が仕えていた上司はめずらしく有休取得推進派でラッキーだったのですが、その上司曰く

「(有休を)取りたかったら取ればいい、申し出にくいのはいつの時代も同じ。申し出るという負担と有休を取りたいという欲求を比べて もし負担が勝るなら取らなきゃよし、欲求が勝るなら申し出ればよい、ただそれだけのことだよ」と。

会社を辞めたくなったときもしかり。「去る」と「残る」を天秤にかけて勝るほうを採る。極言すれば「ただそれだけのこと」です。

それでも、天秤が上下に揺れて定まらないことがある。その場合はどうするか、揺れが収まるまで待てばよい。では、両天秤が釣り合って平衡状態になったら…つまり去るも地獄 残るも地獄というわけです。

こうなると、さすがに策がない。天秤は平衡でも、心は逆に揺れ動きはじめるのできりがない。

そうとなれば 最後は 時間を味方につけるのがよいと思います。地震発生時の対処の仕方と同様 (心の)揺れがおさまるまでは じっと動かず、おさまったところで 慎重に行動をはじめるのが得策かと。