忠霊塔

忠霊塔

富士吉田市の新倉山浅間公園は「桜と五重塔、そして富士山を望むこの絶景が、日本を象徴する景色として広く世界中に知られ、その眺めを一目見ようと国内外から多くの観光客が訪れる」(写真・文ともに同公園HPより)。

私も「この絶景」は絵葉書などでよく見かけたが、先日添乗で訪れるまでは、この五重塔が戦没者慰霊塔であることを全く知らなかった。

1868年以降の戦役(日清、日露、第一・二次世界大戦)において戦没した市内出身者960余柱(現在1055柱)を合祀するために建てられたそうだ。

先日の訪問時はちょうど桜も満開で「この絶景」を一目見ようと世界中から観光が押し寄せ、フォトスポットはスマホを手にした人々で大混雑。

いったいこの中で何人の人が、この五重塔が慰霊塔であることを知っているのだろう…

あれはまだ私が20代、東京でも荘厳な装飾の霊柩車を見かけた時代。訪日中の海外ビジネスパートナーがたまたま遭遇した霊柩車をカメラに収めていた時のことをふと思い出した。

車の正体を明かすと、彼は困惑した表情で「写真をとったらマズかった?」と問われ、私も実は返答に窮してしまった。