幼い頃の記憶

幼い頃の記憶

幼いころ母の実家によく遊びに行きました。山梨県の甲府市。中央線の通勤電車(当時は国電と呼んでいました)で高尾まで出てから、中央本線に乗り換えます。

国電では窓を背にして座る横に長いロングシートですが、高尾から乗る車両は座席が進行方向(あるいは対面)を向いているクロスシート。ひと区画に4人が向き合って座れます。

この四角いスペースで、おしゃべりをしたり、お弁当を食べたり、トランプをしたりするのが子供にとっては最高に楽しかった。

各駅停車だったからでしょうか、甲府までの駅名は自然と覚え、更に時刻表で調べて、その先の松本まで暗記してしまいました。50年以上たった今でも諳んじることができます。

そういえば認知症の患者も昔の事はよく覚えています。私の両親もまさにそうで、5分前の記憶は完全に消去されるのに、70年以上前の記憶は脳内に留まっている。不思議です。

大学時代の友人に、歴代の天皇を全て記憶している人物がいた。円周率を何十桁もいえる人もいた。やはり彼らも子供の頃に覚えたと言っていました。

ところで、ひさしぶりに時刻表で中央本線を見たら、「勝沼」は「勝沼ぶどう郷」に駅名が変わっている、「すずらんの里」という新駅がある‥‥。

半世紀もアップデートを怠っていましたので…。妙なところで歳月の流れを感じることになりました。