文人の町 荻窪

文人の町 荻窪

荻窪は文人の町とも呼ばれ井伏鱒二や与謝野鉄幹・晶子夫妻など作家や歌人が多く移り住んでいました。

私の息子と娘は共に荻窪にある桃井第二小学校(桃二小)の卒業。息子はシドニー日本人学校からの編入でした。

当時、いただいた学校の資料を読んで驚いたのが校歌です。なんと作詞:与謝野晶子 作曲:山本直忠と書かれています。

文人の町とは聞いていましたが、まさか息子の通う小学校の校歌が、あの与謝野晶子の作詞によるものとは!

山本直忠という名前は聞いたことがなかったのですが、作詞が与謝野晶子なら、作曲もそれ相応の人物だろうと思い、すぐに浮かんだ名前が山本直純です。この人のお父さんでは?

予想は的中しました。山本直純は私が子供の頃よく見ていたNHKの「連想ゲーム」というクイズ番組に回答者として出演していたのでよく覚えています。

「大きいことはいいことだ!」という森永エールチョコレートのテレビCMでも有名でした。

ところで、与謝野晶子直筆の校歌歌詞などの資料は「杉並区指定文化財」にも指定されています。しかし、そうした公的なかたちだけでなく、校歌というかたちで子供たちに「歌い継がれている」ことが荻窪らしくていいなぁと思います。

荻窪の原風景」でも、「『町の日常』のようなものが、大切に守られ、ここに住む人々がその重要性を理解し、バトンを繋いでいる」と書きました。

「校歌」という日常が「歌い継がれている」、バトンが繋がっているのです。2019年に桃二小の新校舎が完成した際、正門のそばに校歌の歌碑も作られました。

ちなみに、与謝野寛(鉄幹)晶子夫妻が晩年を過ごした家の跡地は現在の「与謝野公園」。園内には二人が詠んだ歌碑などもあり、ちいさな子供たちや人々の憩いの場になっています。

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かくと

かくと

「荻窪ラジオ」の神木各人(かみき かくと)です。私は国内外で33年間のビジネスマンライフを終え、今は荻窪を拠点にフリーランスとして活動中です。「荻窪ラジオ」では、私のこれまでの経験や、日々の暮らしで考えたことなどを「オンエア」。「読む」ラジオとしてお付き合いいただければ幸いです。

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