たとえたい

たとえたい

私は「たとえ(話)」が好きです。何かに遭遇するたびに、何かに「たとえたい」と思ってしまいます。

ややこしいことや説明しにくいことも、うまく例えればぐっとわかりやすくなるし、相手にも伝わりやすく、お互いにスッキリする。

会社であるプロジェクトに参画していたある女性社員が、それぞれの関連部署から招集されたオジサンメンバーたちの会議を見て「まるで動物園ですよ」とため息をついていました。

この「動物園」は実にわかりやすかった。自分の意思に反して一か所に集められても、檻からは出られずコミュニケーションもままならないメンバーたちの様子が、たった漢字3文字で見事に表現されています。

さて、この世で最も優れたたとえ(話)と言えば、それは「ことわざ」でしょう。これは本当に素晴らしい。

犬も歩けばぼうにあたる、馬の耳に念仏、猿も木から落ちる、よくよく考えてみれば、これらは全てたとえ(話)です。

更に凄いのはその短さです。俳句は5、7、5で僅か17文字ですが、有名なことわざは、17文字にも満たないものばかり。長そうなもの、例えば「井の中の蛙大海を知らず」でも16文字です。

こんなに短い言葉で、こんなに多くを語らしめるのです。しかも時代を越えて語り継がれている。やはり「ことわざ」に勝るたとえ(話)はないでしょう。

冒頭にも書きましたが、自分は何かあるとすぐに「何かたとえ(話)にまとめられないかなぁ」と考えてはじめてしまうのです。それが結構楽しい。

笑点の大喜利ではありませんが「それって、まるで〇〇みたいなものです」と、その一言を上手く言いたくて。