飛び地

飛び地

小学生のとき、世界地図を見てアメリカという国が2か所に分かれているのをとても不思議に思った記憶があります。

アラスカが飛び地(そう呼ぶには大きすぎるかもしれませんが…)になっているのを見て、不思議に思ったわけです。

ウクライナ危機が始まってから、ウクライナをはじめ東ヨーロッパの地図を見る機会が増えましたが、ここにロシアの飛び地があることを知りました。カリーニングラードです。

かつてはソ連本土と地続きでしたが、バルト三国がソ連崩壊で独立したため、ロシア本土から切り離されて飛び地になってしまった。

過去の歴史における国家間の領土争いや政変などによって、こうした飛び地が、いわばその痕跡として残されてゆくということなのでしょう。

そうかと思えば、同じ国内なのに行政の事務作業の中に埋もれて飛び地になった場所があると知って驚きました。

東京都練馬区の西大泉町。飛び地として埼玉県の新座市の中にあるそうです。(詳細はこちら→練馬区「西大泉町」なぜ飛び地?<読売新聞オンライン>

さぞかし面倒が多いだろうと思いきや、記事には次のようなくだりも。

数十年来、ここに暮らす女性は「水道は新座市、ごみ捨ては練馬区と行政サービスはバラバラだけど、住んでいて不便を感じたことはないですよ」と笑う。

行政当局は、西大泉町を新座市に編入する方針を決定しているが、「いまさら住所を変えろと言われても抵抗がある」と反対している住民もいて話は進んでいないそうです。

そう、その土地に住む人々にとっては、住所の名称が変わるというだけでも大変なことなのです。

ましてや武力で国境を変えようとしているなんて…。ウクライナに住む人々の苦難は計り知れません。