オフィスの座席   ベストポジションはどこ? 

オフィスの座席 ベストポジションはどこ? 

職場のデジタル化が進み、フリーアドレスのオフィスで勤務されている方も増えているようです。先日、そうした最先端のオフィスを見せていただく機会がありました。

そこはパーテーションもなく、開放的なラウンジスタイル。スタッフはソファーやハイチェア&カウンター、オーソドックスな机とイスなど、さまざまなインテイリアに囲まれ、思い思いの場所に腰かけてPCと向き合っていました。

これなら、かなり質の高いパフォーマンスが出せることでしょう。私の知る「オフィス」とは全く異なる別世界を見たような印象です。

小中学生の頃、座席といえば、隣は誰か、教壇から遠いか、窓側か廊下側かといったことが関心事でした。職場ではどうでしょう、似たようなものかもしれません。隣は誰か、上司から遠いか。

自分は職場での「座席運」があまり良いほうではありませんでした。なぜか頻繁に上司の隣になる。運よく離れたと思ったら、今度はコピー機のすぐ横で、これまた落ち着かない。この残念な巡り合わせは、一向に終わる気配を見せない。そこで、ある時から考え方を変えました。

まず上司。近いと何かと気を遣う、雑用が降ってくる、監視される、終業のベルが鳴っても帰りにくい…とにかくデメリットが多いです。でも実はメリットもありまして、私はこちらにフォーカスして毎日を過ごすことにしました。

では、そのメリットとは何か。まず、報告、連絡、相談の手間が“著しく”省けます。ちょっと声をかけて話ができてしまうので数分で終わる。もし、タイムリーに話す機会を得られず、後日、文書で報告していたらそうは行きません。

それに、相談しようと席に行ってみたら、遠目には平穏に見えたけれど、実は不穏な雰囲気なので出直した といった「無駄な動き」もなくなる。更には、上司が近くにいるのでめったに油を売りに来る人がいない。

では、コピー機に近い場合、「すぐにコピーが出来る」ほかに何かメリットがあるのでしょうか?

あります。コピー機の近くには順番待ちなどで何かと人が集まりやすく、そこでちょっとした立ち話が交わされる。そこから思わぬ情報を得られる。あるいは、用事のある人物のところに出向かなくても、その人がコピーを取りに来た時につかまえることができる。

いずれの場合でも、こうしたメリットのおかげで、仕事の効率や生産性が向上し、もともと少なかった残業が更に減りました。

それでも、上司が近くに座っていれば、結局は帰りづらい。コピー機の近くだったら、家に帰ろうとした矢先に、新人が紙を詰まらせ、手助けをする羽目になる。たまたま自分の席が近くだからというだけなのに…。デメリットはゼロになりませんが、しかし、それを補って余りあるメリットがあったと思います。