霊園さんぽ

霊園さんぽ

「お墓のこと」でも書いたが、お墓について学ぶべく、先週の日曜日に一人で多磨霊園へ出かけた。荻窪からは青山霊園と並んで最も近い都立霊園の一つだ。

子供の頃はお墓といえば怖い場所だったが、この歳になると少なくとも「怖い」という感情は無くなり、ときに「安らぐ」とでも言える場所になる。

はじめてそう感じたのは数年前の春、ふと思い立って一人で青山霊園に満開の桜を見に行ったとき。遥か彼方の存在だった先祖の霊との距離がだいぶ縮まって来たということか。

多摩霊園には親類や知人が眠っているわけではないが、山本五十六や東郷平八郎、与謝野鉄幹・晶子といった自分が一方的に親しみを感じている著名人の墓を訪れた。

本や教科書でしか接したことがない歴史上の人物たちだが、実際に墓石の前に立つと、しばしその御霊に触れたような、何とも不思議な感覚になる。

この日は梅雨の中休みで東京も30度を超える真夏日。東京ドーム27個分もある広大な霊園で上述の3つの墓をまわっただけで汗だく、ヘトヘトになってしまった。