ウクライナ危機と日本

ウクライナ危機と日本

ご存知のように日本は1904年に朝鮮半島や満州の権益をめぐってロシアと戦いました。日露戦争です。米国の仲介でポーツマス講和会議に至るまで約1年半の交戦状態。

私は学生時代「坂の上の雲」という司馬遼太郎の歴史小説を読んで、旅順における凄惨な陸軍同士の戦いや、電文「本日天気晴朗なれども波高し」でも知られる日本海海戦の様子を知りました。

120年も前に起こった、「歴史小説」で読んだ戦争と同じことが、今この瞬間にも起きている。そして、その戦場で陣頭指揮をとる大統領がオンラインで、ライブで日本や西側諸国に支援を求めて演説をする。

この現実に私たちはどうやって向き合えばよいのでしょうか。

日本もロシアとは海を挟んではいますが隣国で、北方領土問題を抱え、ある面ウクライナと似たような立ち位置でもあります。

ロシアがその気になれば北方領土侵攻だって有り得る。クリミアのように一方的に歯舞、色丹、国後、択捉を併合した後、北海道に攻め込むシナリオだって絵空事とは言えません。

平和ボケした日本はこのままで大丈夫なのか?「核共有」について議論すべき時ではないか?ウクライナ危機が始まって以来、さまざまな言説がとびかっています。

それらの正否は措くとして、私は日本人が平和ボケしているとは思いません。なぜなら、いつも自然災害と戦っているからです。

巨大地震や津波は予測不能であり、そのスケールはとてつもなく大きい。ある意味戦争よりも恐ろしい。そんな自然災害とずっと戦い続けているのが日本人です。

今回の危機収束や世界平和に日本独自のスタンスで貢献するためのヒントが、こうしたことにあるような気がしています。

ほんとうは人類同士が争っている場合ではない。自然災害のみならず気候変動をはじめとする環境問題は、核兵器と同様、人類滅亡に繋がる危機なのですから。