巣鴨プリズン

巣鴨プリズン

巣鴨プリズンの跡地に行ってきました。そこはかつて戦犯を収容した刑務所があった場所。東京裁判で死刑判決をうけた7名の死刑が執行された場所でもあります。

8月の小欄で「償いは済んでいる(上坂冬子著)」を紹介しましたが、私はこの本で初めて、巣鴨プリズンが池袋のサンシャインシティ近くにあったことを知り、一度訪れたいと思っていたのです。

本の表紙に「永久平和を願って」という文字が刻まれた石碑の写真が載っているのですが、これは跡地の一角にある東池袋中央公園の片隅に建てられたもの。

現場に行って見て驚いたのは、周辺に漂うなんとも暗くて、寂しげな空気です。平日のお昼休みの時間帯でしたが、公園の人影はまばら。

石碑は敢えて人目につかないところを選んで建てられたかのような場所に、まるで捨て置かれたかのようにひっそりと建っていました。

まるで、隣接してそびえたつ「サンシャイン60」に見降ろされ、身を小さくかがめているかのように見えます。戦争のもたらす理不尽、悲しみ、不幸…心が痛みます。

石碑に近寄る人は誰もいませんでしたが、お花が手向けてあったのは救いでした。私は心の中で静かに手を合わせて、公園を後にしました。