タクラマカン砂漠をゆく(4)

タクラマカン砂漠をゆく(4)

夕方、ウルムチ空港に無事着陸しました。しかし、窓の外を見ても何もありません。平らな土地が果てしなく続いているように見えます。

ターミナルや待合室などの建物はどこにあるのだろう。一生懸命目を凝らしてみるのですがそれらしきものは何も視界に入ってきません。

やがて飛行機が停止、タラップで地面に降り立ったところでようやく全体が見渡せました。目の前に広がる光景は、まるで荒野に緊急着陸したかのようです。

50メートルくらい前方に掘建て小屋のような建物が一つ。柵や塀らしきものは一切無し。他の飛行機もいない。

機体の脇に無造作に置かれたスーツケースの中から自分のものを探し出し、ゴロゴロと引っ張りながら「掘建て小屋」のところまで行くと、M商事が手配してくれた現地スタッフらしき男性が迎えてくれました。

今にも壊れそうなボロボロの車でホテルに到着。正面玄関の脇が駐車場になっていて、そこに重装備のパジェロが止まっていました。私たちが乗ってきた車とは対照的です。

「あぁ あれはテレビ朝日のクルーだそうです。シルクロードの取材でしょう。」とK氏。「じゃぁ 我々も明日はパジェロかランドクルーザーか、ああいう車で行くんですかね?」私はすかさず尋ねました。

「はい、たぶん。砂漠を半日は爆走するので、それなりの車で行くと思います。」との回答に私は胸を撫でおろしました。「では、明日の爆走に備えて、今日はゆっくり休みましょう」と私たちはそれぞれの部屋に。

早速シャワーを浴びようと部屋に用意されていたタオルを手にしたところ…。ものすごくゴワゴワ、一瞬雑巾かと思いました。でも、他にタオルらしきものはなく。

たしかに洗濯はされています。ですが、広げてみると繊維が摩耗し、真ん中のあたりはタオルというよりガーゼです。(明日につづく)