昔PDCA 今OODA?

昔PDCA 今OODA?

私はこれまでどの会社でも「PDCAサイクルを回せ」と教えられてきました。業務やプロジェクトはPlan (計画)、Do (実行)、Check (評価)、Action (改善) のサイクルを繰り返し質の向上を図れと。

大企業に勤務していたときはPDCAのPに莫大な時間を投入させられました。1年の半分以上を計画策定に費やしますので、D(実行)する時間が十分ありません。

逆に中小企業ではPに殆ど時間を掛けません。トップからは「走りながら考えろ」と。こちらは“DCA”のサイクルを回している感じ。

どちらが良いかと問われれば、たぶん両者を足して2で割るのがよいのでしょう。では、どちらが面白いかと問われれば、それは間違いなく“DCA”のほうです。

しかし、私は「面白い。でも、成果評価が出来ない。だから責任の所在が曖昧になる。」ということを常々感じていました。

ところで、最近は、「PDCAはもう古い。これからはOODAだ。」という人も。これは、Observe (観察)、Orient (状況判断、方向づけ)、Decide (意思決定)、Act (行動) の頭文字をとったものです。

要するに競合や市場の現状分析に重きを置き、それに基づいて意思決定をして目標達成するということなのでしょう。ただ、こちらも「責任の所在」が心配です。

先の見通せない時代、確かにPやCに時間を掛けるのはナンセンスなのかもしれません。しかし、計画が無ければ達成したのかどうかは評価できませんので、そこに責任逃れの道が開けます。

中小企業では、トップの一声でPをスキップしてDが始まりがち。その場合、成功か失敗かはPが曖昧なので、事実上トップの主観で決まってしまう。

成功すれば結構ですが、誰がみても失敗だった場合にトップが責任をとらない(社員に責任を押し付ける)リスクがあるということです。

PDCAにせよOODAにせよ、評価と責任の所在という観点は忘れてはいけません。