カタカナことばの勢いがスゴイ。たった今、私も「凄い」ではなく「スゴイ」と書いてしまうほどでありまして、とにかく隆盛を極めていると言ってよいかと。
新聞の株式欄で「グロース(=新興企業向けの市場)」を見て下さい。そこに名を連ねている会社の社名は殆どカタカナです。
先日、ラジオで経済評論家が日本の技術力について熱心に語っていましたが、彼女は一度も「技術」と言わず「テクノロジー」という単語を繰り返していました。
私たちの日常会話でも、例えば「昼食」は「ランチ」に駆逐されつつありますし、「スポーツ選手」はみんな「アスリート」になりました。
少し時代を遡れば、ファミレスが台頭して「ごはん」が「ライス」に、「飲み物」が「ドリンク」に変身。
街では「事務所」が減って「オフィス」が増え、「医院」が世代交代で「クリニック」としてリニューアルオープン。「洗濯屋」はとうの昔に消えて「クリーニング屋」です。
明治時代、日本にはなかった西洋の概念を翻訳するための新語が作られました。例えば、英語の「society」を訳すのに「社会」という単語を新たに作ってあてたわけです。
しかし、すっかり定着したかにみえる「社会」でさえも、やがては「ソサイエティ」に置き換わってゆくのかも。ただ、「ソサイエティ」は少し発音しにくいですけれど。