大学ファンドの課題

大学ファンドの課題

先日たまたまNHKラジオで「大学ファンドの課題」について河村小百合(日本総研)さんのお話を興味深く聴きました。

これは「日本の大学の研究力低下打開」を目指す政府が、税金1兆円+国債9兆円、計10兆円ファンドを設立。その運用益を大学に研究費として支給するものとのこと。

英米の大学では企業の寄付金を運用、その利益を研究費の原資にしていて、その基金規模はハーバード4.5兆円、ケンブリッジ1兆円。日本は東大でも僅か190億円だと。

そこで政府が鳴り物入りで当ファンドを設立。年約4%の運用益を目論み、そこから3%相当の3000億円を「国際卓越研究大学」として認定された大学に研究費として配分するそう。

ちなみに、東工大と東京医科歯科大の統合は、この「国際卓越研究大学」として認定されんがための動きです。

ところが、今年3月から運用を開始し半年後の実績が先頃発表されたのを見ると、何とプラスどころかマイナス4%、1881億円の損失を出し出鼻をくじかれたと。

河村さんは、このご時世で4%という目標が高すぎるし、そもそも借金を基金とすることに疑問を呈されていました。私も全く同感。

家計で考えてみれば一目瞭然です。いわば「子供の教育費」を捻出するという話。そのために借金して、そのカネで投資信託を買い、その運用益で教育費を賄おうと考えるバカな親がどこにいるでしょうか?