点と線(松本清張 著)

点と線(松本清張 著)

松本清張の推理小説としては最初の長編として有名な作品。列車の時刻表を駆使した犯罪ミステリーです。

特に今年は日本で鉄道が開業して150年ということもあって、TVや新聞、雑誌などが本著を取り上げているのをときどき目にします。私も鉄道は好きなので、この機会に読んでみました。

推理小説は久しぶりだったのですが、やっぱりこのジャンルは読みはじめたら止まらない。「かっぱえびせん」みたいです。

同作品は昭和32年に「旅」という雑誌に連載されたもの。昭和のお話ですから、令和の現在からみれば犯罪トリックは単純で、私のように低い推理力しか持ち合わせていない者にとってはちょうどいい難易度です。

犯人は鉄道ダイヤの間隙をぬってアリバイ工作をしてゆくのですが、今はなき寝台特急「あさかぜ」や特急「まりも」急行「十和田」など、懐かしい顔ぶれが次々と登場。

鉄道ファンにとっては「アーモンドグリコ」みたいに「二度おいしい」作品です。(新潮文庫)