ペロリスト

ペロリスト

回転ずしの店舗で、醤油差しをなめる動画を投稿した少年が、被害を受けた運営会社から提訴された。損害賠償の請求額は6,700万円とのこと。

あの事件から4カ月余り。“ペロリスト”などと呼ばれていた少年は「深く反省している」らしいが、犯した罪について同情の余地は無い。

それにしても、つくづく恐ろしいと思うのは、ネット社会がもたらすレバレッジ効果の大きさだ。

多分、似たようなイタズラはインターネットがなかった時代にもあっただろう。自分たちが昭和の中高生だった頃を思い起こしてみれば、それは想像に難くない。

しかし当時は、こうした「事件」が起きても、それは現場で収められ、広く世間に知られることはなかった。

今はちがう。あっという間に大衆の知るところとなり、しかもその軌跡は消せないから、本人に一生ついて回る。

なのに、アナログの親世代は、その危険性を子世代に教えるのが難しい。ただ、こうした事件が起きることで、子世代が「他山の石」とすることはできる。

従って、結果的に身をもって「範」ならぬ「反(悪い例)」を呈したことが、ペロリストの唯一の「功績」にはなるが、その代償はあまりに大きい。