都々逸っていいなあ(小野桂之介 著)

都々逸っていいなあ(小野桂之介 著)

先日の小欄で書いた「都々逸(どどいつ)」についてもっと知ろうと手に取った本です。

昔から私は「語呂合わせ」や「キャッチコピー」の類が大好き。その延長で俳句や短歌も鑑賞するのが楽しい。

そうなりますと自分で創ってみたくなってきます。それでは手始めに川柳でもと、軽い気持ちで試してみたら、これがとんでもなく難しい。

字数が少ない方が楽だと思っていたら、それはとんでもない誤解でした。言いたいことを17字に凝縮する能力が自分には無い事を思い知らされます。

では短歌なら、と手を出してみても、そこには「本歌取り」のような高尚な技法などがありまして、もうお呼びじゃない。

かといって自由律俳句では「何でもアリ」になってしまう。これではむしろ難易度が上がる。やはり何らかの「型」や「制約」は欲しい。そんな時に見つけたのが都々逸です。

本著には時代を越えて幅広いジャンルの作品がたくさん紹介されています。都々逸の何たるかを大上段に構えて解説するのではないところが良い。自分も創ってみようと思える。

著者のワンポイントアドバイスと共に作品を次々と味わうことで、都々逸を学び、その魅力に触れることが出来る一冊です。(角川書店)