老人力(赤瀬川原平著)

老人力(赤瀬川原平著)

全くの偶然、何か別の本を探して色々とネット検索していたら、たまたま「老人力」というタイトルに目が留まりました。

今どき「老人」なんて誰も言わないのに、これは一体どういうことだろうと、早速図書館へ。文庫版を借りることができました。

1997年から雑誌に連載された著者のエッセイが、「老人力」と「老人力②」の2冊刊行され、2001年にその2冊を併せて文庫化されたようです。

歳をとれば誰もが経験する「物忘れ」や「ボケ」といった老化現象を、老人力という言葉で前向きかつコミカルにとらえたもの。

少し脱力気味のゆるいタッチで描かれた日常が、「微笑ましい」を越えて、「笑い」を誘います。私としたことが、本を読んで笑い声を漏らしてしまったのは久しぶりのことでした。

この書を読むと「老い」に対するネガティブなイメージが随分払拭さるように感じます。なぜかわかりませんが、「面白おかしく老いてゆけるかも?」と思わせてくれる。

著者が「発見した」この「老人力」という言葉は、当時だいぶ流行したようですが、ちょうど私が海外駐在をしていた時期に重なっていて、ちっとも知りませんでした。

尤も、知らなかったからこそ、今回の遭遇がとても新鮮に思えたのかもしれません。

章ごとに挿入されている著者自身が撮影した写真とキャプションも笑える。画家でもある赤瀬川氏ならではの世界観がとても心地よいです。(ちくま文庫)