アニマルウェルフェア

アニマルウェルフェア

先日ラジオで、「自動車メーカーの間では、高級車の座席のシートなどに本革ではなく、植物由来の素材などを使う動きが出始めている(NHK)」というニュースを聞きました。

これは「アニマルウェルフェア」=動物福祉への意識が欧米などで高まっていることを受けた対応だそうです。動物福祉という言葉は初耳。調べてみると、農水省のホームページに説明がありました。

我が国も加盟しており、世界の動物衛生の向上を目的とする政府間機関である国際獣疫事務局(OIE)の勧告において、「アニマルウェルフェアとは、動物の生活とその死に関わる環境と関連する動物の身体的・心的状態」と定義されています。アニマルウェルフェアについては、家畜を快適な環境下で飼養することにより、家畜のストレスや疾病を減らすことが重要であり、結果として、生産性の向上や安全な畜産物の生産にもつながることから、農林水産省としては、アニマルウェルフェアの考え方を踏まえた家畜の飼養管理の普及に努めています。

農林水産省HPより

これから自動車のシートやハンドル部分には、サトウキビなどの植物由来の繊維を使った素材が使われるようになるそうです。

ここで私が少し気になったのは代替される「植物」のことです。動物福祉があるので、植物福祉という考え方もあるのかと思いきや、それはどうも見当たりません。

似たような言葉で「園芸福祉」というのがありましたが、これは「仲間をつくり、植物と接して、幸せになろう(日本園芸福祉普及協会)」という活動だそうで、植物愛護とは方向性が違う。

悲しい事実ではありますが、我々人間の動物に対するスタンスと植物に対するスタンスの違いをあらためて感じます。

私たちは“動物に対しては想像力が働き、虐待を見れば心が痛むけれど、“無言”の植物に対しては想像力が働かず、ずいぶんと乱暴に接しているのではないでしょうか。