AIよりサル

AIよりサル

「人間と宗教」と題した寺島実郎氏の講演から(「まほろば塾」参照)。21世紀を生きる我々は、「動物」と「AI」から、「人間とは何か」という問いを突きつけられているという。

チンパンジーと人間のゲノム解析結果を比較するとDNA配列の差は僅か1.2%だそうだ。つまり、大差ないと。それなら、人間は単に「足の遅いサル」なのか?

一方で、2045年には「シンギュラリティ―」に到達すると言われているそうだ。つまり、この時を境にAIが人間の脳を越えると。それなら、人間とAIは何が違うのか?

講演では、こうした問いかけから、人間の(動物には無い)共感力や(AIには無い)意識の深さといった考察を経て宗教へと話が展開した。

さて、この時ふと考えた。人間にとってチンパンジーとAIはどっちが脅威だろうかと。そして私は、チンパンジーだと思った。

なぜなら、AIは電気を切れば全滅する。つまり、人間はAIに対しては必殺技を持っているのだから怖くない。

一方で、対チンパンジーはどうか。仮に絶滅させても、食物連鎖などの関係で自然界から何らかの形で想像を絶するしっぺ返しが来ることは間違いない。人間はAIには勝てても、自然には勝てない。