ドイツに駐在時代のこと。会社で独日翻訳をお願いしていたフリーランスの女性がいます。ご自身でも造形作品を発表されるなど、アーティストでもいらっしゃる。
現地の新聞や雑誌に関連の記事が掲載されたら翻訳をお願いしたり、たまにイベントで通訳をしてもらったりと、なんだかんだ月に1回くらいはお会いしていたでしょうか。
そんな彼女の独日翻訳にはいくつかの「こだわり」がありまして、例えばWein(ドイツ語でワインの意)という単語。日本語訳は「ワイン」ではなく必ず「ぶどう酒」でした。
私も「ぶどう酒」という言葉の響きは好きでしたので、この「こだわり」はいいなぁと。
やっかいだったのはMake-up(メーキャップ/ドイツ語でも英語のまま使います)。これは彼女に言わせると絶対に「メイクアップ」なのです。
化粧品会社なのでこの単語は頻出。社内では「メーキャップ」で統一していましたので、都度修正してもらいましたが、さすがアーティスト魂、今もご納得いただけていないようです。