ハングル講座

ハングル講座

ソウルに駐在していた頃、韓国語を熱心に勉強しました。仕事が始まる前の約1時間、先生にオフィスに来てもらいレッスンも受けました。

もちろん毎日の生活は生きた「韓国語教室」で、オフィスのスタッフに教えてもらったり、買い物を通じて学んだり。

日本人の多い地区に住んでいましたので、近隣のお店の方々の中には日本語のわかる人もいらっしゃるとは言うものの、やはり細かいことを伝えるには韓国語が必要です。

ソウルで2年ほど暮らした後シドニーへ移ったのですが、そこでも韓国人コミュニティーが主催する韓国語教室に通いましたし、韓国語検定も受験するなどして学び続けました。

あれから10年以上たった今も、NHKのラジオハングル講座を活用して細々と勉強を続けています。言葉は使わないとどんどん忘れてしまいますので。

ご存知のように韓国語は日本語に最も近い外国語。はじめはハングル文字を見てちょっととっつきにくい印象を持ったのですが、いざ始めてみると日本語と共通点が多いので結構楽しく学べます。

ハングルは表音文字、つまり発音記号みたいなものですから比較的容易に「読める」(正確には「発音できる」)ようになります。意味はわからないけれど発音できる。

ソウルに赴任して3か月ほどたった頃、ちょうど私もハングルが「読める」ようになりました。そうなりますと、町なかの看板や駅の案内表示などを「読む」のが楽しくなる。

ちょうど小さな子供が「ひらがな」が読めるようになると、意味は分からなくても目に入った文字を片端から声に出して読むのに似た状態になります。

そのうち語彙力もついてきますから、意味も分かるケースが増えてくる。謎だらけだった文字情報が意味を帯びてくる。これはなかなか心地よいと申しますか、楽しい体験です。

ところで、NHKはなぜ「韓国語」講座ではなく「ハングル」講座と呼ぶのでしょうか?日本語に置き換えれば「日本語」講座ならぬ「かな」講座と呼んでいるわけで奇妙です。

聞くところによると、朝鮮語とすべき、いや韓国語が正しい等々…そこには南北対立の複雑な事情もあるようですが、真相はよくわかりません。

それはさておき、いつかまた韓国を訪れる日を夢見て、今日もハングル講座で錆びついた語学力を少しだけ磨きなおします。