センスの哲学(千葉雅也 著)

センスの哲学(千葉雅也 著)

白いカバーに1枚の抽象画をしつらえたオシャレな装丁の本書、手に取って開いた冒頭

さて、実は、この本は「センスが良くなる本です」

ならば読まない手はない。

芸術にも精通した哲学者である著者が、そもそもセンスとは何なのかという議論を踏まえ、芸術の鑑賞を通じてセンスを磨くためのヒントを説く。

センスとは「直感的にわかる」こと。だから、そこから作品の意味や作者のメッセージみたいなものを抽出しようとしなくて良い。作品をありのまま「リズム」としてとらえ、それを楽しめば良い、「意味」から離れよと。

新鮮な切り口に感銘しつつ一気に読破した。果たして自分はセンスが良くなったかどうかはちょっと自信がないけれど。(文藝春秋)