冬季オリンピックの記憶

冬季オリンピックの記憶

北京オリンピックがはじまりました。賛否両論の渦巻く中で開催された東京大会から半年。こんどはウクライナ情勢やウイグル自治区の人権問題など、「政治の影」がちらつく中での開催です。

こちらは「ウイルスの影」以上に恐ろしいと感じます。軍事的な緊張や、世界各地で行われている人権弾圧に抗議するデモ。半年前に代々木の国立競技場周辺で行われていた開催反対のデモがずいぶん小さく見えます。

一方で、スキージャンプで小林選手が24年ぶりの金メダルを獲得するなど、やはり選手たちの活躍には誰もが勇気と感動をもらいます。

ジャンプと言えば私は札幌大会で日本が表彰台を独占し、日の丸が高々と掲げられた時のことを覚えています。まだ小学生だったのですが、笠谷選手のジャンプに大興奮していました。

それから米国フィギュアスケート女子シングルの銅メダリスト、ジャネットリン選手が大人気で日本中を沸かせていたこともかすかに記憶にあります。

そしてもう一つ、今も私の頭の中で息づいているのがトワ・エ・モワの歌うテーマソング「虹と雪のバラード(作詞:河邨文一郎 作曲:村井邦彦)です。

久しぶりにYouTubeで聞きましたが、やっぱりいいですね!まだオリンピックが今のような商業主義に毒されていない、純粋なスポーツマンシップに則って行われていた時代。「夢と平和の祭典」という表現がすーっと胸に入ってきます。

実はこの歌の歌詞にも「影」という言葉が。歌い出しの「虹の地平を 歩み出て 影たちが 近づく手をとりあって」と、2番の出だし「雪の炎に ゆらめいて 影たちが 飛び去るナイフのように」です。

この影は「政治の影」でも「ウイルスの影」でもない。希望に輝く太陽を背に躍動する「選手たちの影」にちがいありません。